【蹴球亭】サッカー感戦家 日本代表サポーター&FC東京SOCIO

2019.09.01ヤフーブログから引越ししたサッカー三昧のブログです。

2006ドイツワールドカップ総括 3

 3回目のテーマは「監督」です。

 今大会は戦術的な変化は見られませんでした。得点はセットプレーからが多く、ゆくりとボールを保持して中盤を作ってセンターリングしてシュートを決めるなんていうサッカーは過去のものとなりました。
いかにDFラインを上げてコンパクトにしてFWから連携しながら守備をしてボールを奪ってから早く攻めるかが多かったと思います。

 そんな大会で勝負を分けたのは監督の「采配」だったのではないでしょうか。まずは選手選考が一番。チーム23人をどの様に選抜するか。オランダではマーカイがフランスではジュリがアルゼンチンではベロンが外れた。日本から見ればもったいない様に見えるがそれぞれの監督はチームを考えて選抜している。
 そして先発の11人+交代3人をいかに使い切って勝利を得るかが今大会の特徴だったのではないか。先発の11人は試合の流れをつかみ先に失点しない。うまく行けば先制点を得れる可能性を送り込む。監督はその後流れを読んで勝利を得るために交代でチームに新たなメッセージと方針を伝える。ここで監督は「早く動く監督」と「じっくり待つ監督」に分かれる。ジーコ日本監督はじっくり待ちすぎる監督です。そうすると監督は先発を選び、次は状況を想定して3人の交代カードをどのタイミングで切るかである。ケガもある。日本vsオーストラリア戦みたいに坪井が水分補充を怠ったために途中交代みたいな突然の交代もある。
 でも大抵が勝っている場合と負けている場合と引き分けている場合の3パターンである。特に負けている場面と引き分けている場面では攻撃的選手を交代出場させるしかない。しかし勝っている場面は時間にもよるがとどめに攻撃的選手を出す監督と守って勝ち抜く監督に別れる。ジーコ日本監督は勝っているオーストラリア戦にどちらでもない中盤の小野選手を投入して敗戦した。とどめなら玉田や大黒を投入すべきで守るならFWを削って稲本や中田浩二を中盤に入れて守備を強化すべきだっただろう。

 今大会で監督の采配で負けたチームは日本、ブラジル、アルゼンチン、スペインが思いつく。日本は采配が全てはずれ、もともとなかったかも・・・。ブラジルは幻想でチームを作り、走らない選手が2人もいたらいくら王者でも勝てない。(エメルソンの故障が痛かった。)アルゼンチンは準々決勝のドイツ戦でリケルメを交代させた時点で選手に恐怖心が出て失点しPK戦で敗れた。リケルメ中心のチームで中心がなくなったらバラバラになってしまう。スペインは同じく準々決勝のフランス戦で若いセクスに期待を賭けたがまだ経験不足であったのとFWの3枚が機能せず敗れ去った。

 逆に監督で勝ったのはイタリアのリッピだろう。23人中21人を使い(GK以外は全員使った)、交代による選手のポジション異動は多様を極めた。右のSB→左SB→左MFと選手1人を入れただけでチームは複数の変化を出せる。しっかり想定してメンバーを選出して交代までも考えていたのだろう。
 またドイツのクリスマン監督はオースドック的な選手交代で成功した。勝に行く時に疲れたFW、サイドアッタカーを交代して成功した。

 今後はさらに監督の「采配」が試合を決めるポイントになるであろう。現在のルールでの3人交代が勝敗を分けるポイントだからこそ決定権をもった監督の責任も重くなる。